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われら仙台人

June 2009
ミュージシャン 遊佐 未森さん【われら仙台人】

朝、ラジオから流れてきた、とてもきれいな歌のメロディ。澄んだ声がキラキラ輝いて、朝のスタート気分を爽やかに和ませます。その曲は遊佐未森さんのI’m here with you」。NHK「みんなのうた」に採用され、朝、夕、オンエア中。6月発売のニューアルバムの中の1曲でもあり、このアルバムに込めた想いや仙台の思い出を遊佐さんにうかがってみました。

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●シャイで優しいーーそんな人柄が息づくまち・仙台

──仙台生まれの遊佐さんは、仙台にどんな印象を持っておられますか。

仙台は、落ち着いたキレイな街ですし、空気感が好きです。いろんな思い出がありますし、音楽と出会ったのも仙台ですから、初心にかえる街でもあります。

年に2,3回は帰ってます。そうそう、年に1回はさとう宗幸さんや中村雅俊さんたちと「みやぎびっきの会」のコンサートも開いていますね。

街並み自体は、ビルが多くなって子供の頃と随分、変わりましたね。ビルの間に昔ながらの店構えが残っていたりすると、何かほっとします。

──仙台の好きな風景はどこでしょうか。

いろいろありますが、例えば仙台駄菓子の「石橋屋」さんの界隈が好きですね。川が流れていて小さな橋があり、とてもしっとりとした情緒があります。小さい時によく食べていた「石橋屋」さんのマコロンを、東京のデパートのお菓子売り場で見かけたりします。懐かしくて、思わず買ってしまいますよ。

──仙台の良さって、どんなところに感じますか。

仙台の人はシャイで、優しい方が多いと思います。

以前、仙台へ帰ってきた時に蔵王へ出かけて、緑の山間を散歩してたのです。そうしたら、軽トラックに乗ったおじさんから声をかけられました。「タケノコと山菜をたくさん採ったから、あげるよ!」と言うので、びっくり。見ず知らずの私なのに、りっぱなタケノコや山菜をいっぱい頂いてしまいました。そういう気持ちの優しさが、こういう時代でも仙台に息づいていますね。

──ご自身が仙台人だと思えることがありますか。

「みやぎびっきの会」のメンバーと東京で打ち合わせをしたりしますが、集まると仙台っぽくなりますね(笑)。皆さんそれぞれ個性がバラバラですが、仙台、宮城の出身ということなのでしょうか、どこか共通項を持っているようで、とてもまとまりが良いのです。ホント感心してしまう程、いいチームワークです。

小柴大造さん、山寺宏一さんからは、仙台弁が飛び出すんですよ(笑)。山寺さんは、アニメ『アンパンマン』の中で「かまめし丼」の吹き替えを担当しておられるのを、ご存じでした?そのセリフが仙台弁で、面白いキャラクターを作っておられるんですよね。

──仙台ならではの味で、お好きなものは何でしょうか。

それはホヤです。小さい時から好きでしたね。ホヤは、あのほのかな独特の香りが好きです。鮮度が命ですよね。

現在、宮城県をPRする「みやぎ夢大使」の役目をお受けしてますが、夏の仙台の味はホヤ、と声を大にして言いたいです(笑)。

●歌う楽しさ、作曲する感動を育んでくれた出会いの恵み

──どのように音楽と出会われたのですか。

子供の頃からとにかく歌うことが好きでしたね。しゃべるよりも先に歌っていた感じです。それで、合唱団に入って指導を受けたわけです。

仙台で素敵な先生、素晴らしい恩師との出会いに恵まれたことは、その後の私を大きく勇気づけてくれました。例えば、小学5年生から仙台少年少女合唱隊に入り指導していただいた福井文彦先生。作曲家の福井先生には、歌の手ほどきを受けるだけでなく、作曲する楽しさを教えていただいたような気がします。

先生が作曲された「東北のおもちゃ箱」という歌曲があるのですが、福島県は赤ベコ、宮城県ならこけしというように、東北6県のおもちゃを歌詞に盛り込んでいるのです。地域色を歌を通して楽しめるので、子供心にもワクワクして歌ってました。それから、「かんぴょうの歌」という先生の曲も、「♪かんぴょー、かんぴょー♪」なぁんてフレーズを繰り返す、とても大胆で刺激的なものでした。作曲するという楽しさを子供時代にふれられたことが、シンガーソングライターとしての私をまず最初に導いてくださったと思います。

中学校、高校時代に声楽指導を受けた姉歯けい子先生は、今も発声などについて具体的なアドバイスをくださっています。「身体が楽器なので、くれぐれも身体を大切に」といつも仰ってくださいますね。

仙台は、まさに私の音楽性の基礎固めをしてもらったまちですね。

──デビューから既に20年。声質も変わるなど、歌い続けていくにはご苦労も多いかと思うのですが。

確かに声質は変わるかもしれません。でも、学生時代に声楽について学んだことで、どんな状態でもその時のベストな発声を工夫できますから、そう苦労している感じはありませんね。若い時よりもむしろ今の自分の方が、自分らしい声が出ているような気がしています。喉の調子と長い間、向き合ってきた成果と言えるかもしれません。

──歌い続けてこられたパワーの根源は、何でしょうか。

音楽が好きな気持ちと、薄くつけたインナーマッスルでしょうか(笑)。ジムに通うほどではないのですが、時間の合間に身体を動かすようにしています。太極拳はデビュー前に始めたのですが、今も続けています。私は一つのことを始めると好きになると続けるタイプなんですよ。できないことがちょっとずつできていく感じがうれしいんです。

●ニューアルバム「銀河手帖」に、新たな決意を込めて――。

──作曲される時に、仙台をイメージされることがありますか。

作曲する時に情景が浮かんでくることは多いです。

例えば、「旅立ち」(アルバム「small is beutiful」中の曲)は、高校時代に見ていた仙台駅前のイメージをふくらませて作ったものです。それから「いつも同じ鐘」は、アーケード街・クリスロードからオーダーされて作ったテーマソングですが、今も街中に流れています。

6月3日に発売されたニューアルバム「銀河手帖」に入っている「5月、エニシダ。」も、仙台での思い出も重なりつつ生まれた曲です。

実は小学校低学年の頃でしょうか、お使いへ出かけて歩いていたら、エニシダの黄色い洪水に出会ったのです。鮮やかな黄色が光に輝いていて、その様子が映画のワンシーンのようでした。とてもインパクトの強い光景でしたので、以前に「休暇小屋」という曲でもエニシダ通りを登場させた程です。

──25作目となるニューアルバム「銀河手帖」について、そのテーマ性などお聞かせください。

ライブ感にあふれた和カフェでくつろぐような、和みの音を綴ったものです。

ちょっとジャジーで、和のテイストも効かせた音づくりをしたいと、サウンド・プロデューサーの渡辺等さんに伝えました。それと、いいライブには、渦巻くような音楽の瞬間があるのですが、その感じを何とか取り入れたいとも思いました。

「銀河手帖」とタイトルをつけたのは、曲を書いたり、歌ったりすることは果てのない世界で、小さな手帖から始まる曲が銀河のようにきらめく。そんな銀河サウンドのイメージをアルバムタイトルに託しています。

──「銀河手帖」の聴きどころを教えてください。

いろんな方にいい刺激をいただいて、完成にこぎつけたアルバムです。例えば、尺八の藤原道山さん、ペダルスティールの高田漣さんなど、個性あふれる音色の素晴らしいミュージシャンの方々と、そしてサウンドプロデュースの等さんと、本当にいい音づくりができました。

また、ゴンチチのゴンザレス三上さんに曲を提供していただき、がんばって歌詞を作った「ripple」や、歌劇『ラクメ』の中の歌曲「花の二重唱」はフランス語で歌っていて、とても印象深いものです。

それから、「I'm here with you」はNHKアニメーション「川の光」メインテーマに採用され、NHK「みんなのうた」6月7月の歌としてオンエアされています。これは、自然との共生をテーマにした曲ですから、ぜひご一緒に歌ってもらえたらと思います。

──番ブラ世代に何かメッセージをお願いします。

この夏、8月15日に仙台のシルバーセンターでコンサートを行います。「銀河手帖」の全国コンサートツアーの最終日です。このアルバムにはまた新たな気持ちで歌い続けていきたいという思いを込めています。ふるさと仙台の皆さんに私のコンサートを楽しんでいただけたらとてもうれしいです。

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遊佐未森さん

宮城県仙台市出身。国立音大在学時から音楽活動を始め、88年4月シングル・アルバム、同タイトル『瞳水晶』(ひとみすいしょう)でデビュー。89年にリリースした3rdシングル『地図をください』がカップヌードルのCMに起用され、幅広い人気を博す。以来、多くの国内・海外のアーティスト達とコラボレートし、ロンドンをはじめカナダ、オーストラリア、イタリア、オレゴン、アイルランドそしてスコットランドなど様々なフィールドでアルバム制作を行う。また同時に、コンサート等のライブ活動も活発に行い、ステージでの優れた表現力にも定評がある。

名前 コメント 投稿日時
いーちゃん 久々に昔のガールフレンドに会った気持ちです。可愛いなと昔応援してました。良い感じで歳を重ねていて、ほっとしました。これからも頑張ってください。 20090807