新たな都市空間を広げている仙台駅東口。
しかし、一歩路地に入ると静寂な空気が流れ、都心にいることすら忘れさせる。
仙台市歴史民俗資料館、榴岡天満宮、そして桜の名所の榴岡公園・・・。
この界隈はまさに「温故知新」と呼ぶのにふさわしい一角だ。
歴史をひも解く館は、宮城県内最古の洋風建築
仙台市歴史民俗資料館 仙台市宮城野区五輪1-3-7
TEL 022-295-3956
開館 9:00~16:45(入館16:15)
料金 200円
休日 月曜定休(休日の場合は翌日)
第4木曜
仙台駅東口からクリネックススタジアム宮城までは、徒歩で20分程度。
沿道にはビルが建ち並ぶが、西口に比べ喧噪は少なく、ぶらり歩くには快適なルートだ。
まずは「仙台市歴史民俗資料館」へ。
広大な榴岡公園の東端に横たわるこの建物は、現存する宮城県内最古の洋風木造建築物。
明治7年9月、「旧陸軍歩兵第四連隊兵舎」として完成し、昭和20年8月まで陸軍が使用した。
一時米軍が駐留した後、昭和50年まで東北管区警察学校として歴史を刻み、現在に至っている。
「50代以上の方の入館が多いですね。軍隊を経験された方や元警察官の方々など、様々な記憶を胸に訪れています」と学芸担当の畑井洋樹さんは語る。
旧陸軍の兵舎を物語る四連隊コーナー
重厚な木造階段と上下窓
旧陸軍の兵舎という響きとは異なる内部は、洋風ホテルのロビーのよう。
明治37年頃の内装を保ち続ける漆喰塗りの壁、重厚かつ繊細な造りの木造階段、そして踊り場にあるガラス入り上下窓が出迎える。
2階フロアは四連隊コーナー、町場の暮らし、農村の暮らしなどの常設展や企画展のコーナーで仕切られ、興味深い展示が続く。
中でも四連隊コーナーには、三八式歩兵銃や当時のベッドが並び、貴重な戦時資料を見せている。
一方、町場の暮らしではトラビス世代には懐かしい一銭店屋が。
5円、10円を握りしめて飛び込んだあの頃を思い出す。
畑井さんによると「榴岡公園は知っていても、資料館の存在を知らない人もいる」とか。
仙台市内には、明治時代の洋風建築が数える程しかない。
仙台市歴史民俗資料館は歴史の語り部であると同時に、建物自らが歴史の証人。ノスタルジックな趣に浸るのもいい。
江戸時代の民衆も桜と酒に酔いしれた
(上)公園の噴水も勢いを増す季節に
(左)春爛漫、榴岡公園の
シダレザクラのトンネル
サクラと言えばご存知「榴岡公園」。
桜前線の到来を待ちかねたように(到来間近から?)仙台市民がこぞってくりだす。
古くはつつじが生い茂る岡にちなんだことから躑躅岡(つつじがおか)の名で呼ばれていた。
仙台藩四代藩主伊達綱村公が、京都からシダレザクラなど約1000本を植栽したことに始まり、江戸時代の民衆も桜の季節を謳歌した。
戦後は、樹木の老衰などによって本数が少なくなったが、植樹が実りシダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラ、ヒガンザクラなど、約400本の桜が美しさを競い合う。
平成2年には、日本の都市公園100選に選ばれ、サクラのほか、ウメ、ツバキ、フジ、ハギなどが目を楽しませてくれる。
宮城県内唯一の天満宮 丑を撫でて、ご利益も!?
(上)ご利益を祈って、撫でてみよう
(左)鮮やかな朱色が出迎える、学問の神さま
榴岡公園からほど近い「榴岡天満宮」。
石段からの鳥居をくぐり境内に立つと、改めて時代のうねりを実感。
JR仙石線は既に地下に潜り、左手には榴岡天満宮を見下ろすかのように高層マンションがそびえ建つ。相対する2つの建造物が、現在の榴岡界隈を物語る。
榴岡天満宮は学問の神様である菅原道真を祀る、宮城県唯一の天満宮だ。
境内には、松尾芭蕉の
「あかあかと日はつれなくも秋の風」
の句碑をはじめとした多くの句碑や歌碑がある、また仙台で最も早く開花するといわれているウメやシダレザクラの古樹も見事。文人達も境内の風流に魅せられたのだろうか。芭蕉と曽良は、元禄2年(1689)5月7日に参詣している。
拝殿前には、丑年生まれの道真にあやかった「撫で牛」が。東京・巣鴨の「とげ抜き地蔵」を連想させる。道真の徳をいただけるか否か。まずは一度お試しあれ。
榴岡天満宮
住所 仙台市宮城野区榴ヶ岡23
TEL 022-256-3878


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