カジカの巻
カジカ漁で猪に遭遇す!
皆さんはカジカという魚をご存知であろうか?清流に棲むハゼのような魚で、仙台弁では「カツカ」と言うのですぞ。カジカよりもむしろ訛っていないところが、小粋です。
このカツカ、かなりアホウな魚です。平べったい体型を利用して石の下に隠れて生活しているのですが、石をそ~っとめくるとジッとして動かないのです。保護色なので、ジッとしている方が目立たないと考えていると思われるが、オラのような縄文人の網膜にはバッチリ丸見えなのです。
石をゆっくりめくっては、ジッとしているカツカをムンズと捕まえる。実に他愛もない方法で、いとも簡単にカツカをゲットできるのであります。従って、カツカ取りは子供たちのお遊び。大人になるとカツカなどには目も呉れず、コリコリッとした食感がたまらない卵の方を珍重するようになります。
そんなわけで、カツカ取りなどとうに卒業していたオラでしたが、地球温暖化のお陰で久々にカツカと格闘する事に相成りました。と、いうのも、温暖化で雪が少なくなったせいか、昔は居なかった猪がこのあたりの山を荒らしまわっていると言うのです。
その上、熊や凶暴な猿も頻繁に出没しており「危ねがら、山さなどへぇんな~」と大いに脅かされ、ついに計画していたキノコ取りを断念した次第。さすがの縄文人も熊や猪は怖い。いや、縄文人だからこそ、熊や猪の恐ろしさを知っていると言った方が良いかも知れない。
そんなわけで、山から川へとハンティングスポットを替え、カツカのガサガサ漁に汗を流す事に。ガサガサ漁というのは、草が水面に覆いかぶさるような場所に三角網を置き、上流から下流に向かって草を足でガサガサとやって、網に小魚を追い込む漁のこと。
今日の野遊びスポットは、山奥の小さな清流。生き物がいるとは思えませんね。
これまた子供のお遊びのような漁で、笑ってしまうほど簡単に小魚が取れるのです。もっとも3~4センチの小魚など、食っても決して旨くはないので、もっぱらカツカだけを残し、後はリリース。サワガニが一匹入ったので、これは一応キープ。味の良し悪しがリリースするかどうかの基準と言うところが縄文人らしい。
7~8センチのカツカが面白いように網に入る。
近頃の子供たちは滅多に川遊びをしないので魚影が濃いらしい。
こうして、下流から上流へとガサガサ漁を続けていると、ものの30分ほどで喰い切れないほどのカツカが取れたので、満足して休憩。腰を曲げての漁なので、案外ズッシリと腰に来る。普段、世話になっている人にさえろくに頭を下げることのないオラは、腰を曲げることに慣れていないのだからしょうがない。
大漁のカツカと所在なげなサワガニくん。
そして、何気なく上流を見てドッと汗が吹き出たね。何と、20メートルほど前方に猪がいるではないか!猪にとっての20メートルなど、目の前に等しい。オラが5歩も走らぬうちに巨大なキバの餌食になってしまうだろう。
悠々とあたりを伺う巨大イノシシ!カメラを持つ手が恐怖で震える…
オラは瞬時に気配を消した。息を殺し、ジッと静止して猪が去るのを祈った。しかし、敵もジッとして動かない。1分、2分…命懸けの我慢比べが続く。3分、4分…ん?お、おかしい。敵が動かなすぎる。まるで石のように動かない。
あれ?ひ、ひょっとして…と近づいて見ると、何ということでしょう!それは本当にただの石だったのです。単に色の違う2つの石が重なっていただけで、たまたまオラの方向から見たら猪に見えていただけだったのです…

イノシシの鼻の形まで!でも石が重なっているだけの単なる偶然。
いやぁ、石に向かって4分も息を殺してしまったよう。人がいなくて本当に良かったよう…。
さて、家に帰り晩酌の準備。カツカは小さいけれど白身で美味しい魚。小さいものは面倒なので丸ごとから揚げにして喰らう人が多い。大ぶりのものは甘味噌を塗って田楽焼きで味わうのもなかなかオツなものです。
今回は焦がしニンニクの揚げびたしにしてみました。
●カジカの焦がしニンニクの揚げびたし
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カツカは白身の上品な魚ですが、 |
●作り方(1)カジカの内臓を取り除き、片栗粉をまぶして170度で素揚げにする (2)胡麻油を熱し、薄くスライスしたニンニクを弱火でこんがりと揚げる (3)素揚げしたカツカを器に盛り、そこへ(2)の焦がしニンニク胡麻油を掛け、最後にポン酢を少々振りかけて出来上がり |
焦げたニンニクの風味と胡麻油の香りのハーモニーが絶品で、さらにポン酢の酸味でっぱりと食べさせてくれる一品です。低めの温度でじっくりと揚げているので、頭から全部食べられます。
これが、ビールとの相性バッチリ!ニンニク・胡麻油・ポン酢の複雑な香りをまとったカリカリの表面とホクホクジューシーな白身の絶妙なコンビネーション…ホッペがいくつあても足りない旨さで、ビールに加速がかかりますぞ!
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早ぶー(宮城県出身、脳年齢不詳)◎プロフィール 仙台市内随一のおバカ高校卒業後、上京してコピーライターに。仙台に戻り、広告業界の片隅でくすぶり続けるも、ある日2000万円の懸賞に目がくらみ小説を書き始める。が、鳴かず飛ばずで現在に至る。「器用貧乏とは、器用な人間が貧乏するのではない。貧乏が器用にするのだ」という迷言を吐き、現在一人で文章を書き、写真を撮り、イラストを描いては小器用に生活している。愛読書はブックオフの100円文庫。 |



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