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仙台は、海へ、山へ思い立ったらひょいっと行けます。そこには山菜や木の実、キノコに魚や貝などの自然の恵みが無数にあり、狩猟採集民族の血を騒がさずにはおきません。これほど恵まれた環境に暮らしながら、自然の恵みを堪能しないなんて勿体無い!そんな発想から、平成の縄文人「早ぶー」が海へ山へ出かけて大自然と大いに遊び、大いに喰らって仙台を満喫する方法を指南します!

※取材に当たりましては、所有者などの了解を得て行っております。所有者や関係者に無断で採取などは行わないで下さい。

January 2010
どんぐりの巻「どんぐりで燻製はできるのか?」【野遊び指南】

どんぐりの巻

どんぐりで燻製はできるのか?

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公園や林に落ちているどんぐりで、果たして燻製は出来るのでしょうか?
縄文人らしい発想が、スモークの常識を覆すかも!?

近くの遊歩道には秋になると、たくさんのどんぐりが落ちています。誰も見向きもしませんが、貧乏性なオラは(何か利用方法は無いものか・・・)とシゲシゲと眺める。そしてハタとひらめいたのです。どんぐりで燻製はできないものかと。

確か、燻製に使うチップの中にどんぐりの木もあったはずです。幹の煙でも美味しいのなら、実の煙だったらもっと美味しいに違いない。そう睨んだオラはさっそくどんぐりを拾い集め、ステテと自宅に飛んで帰ったのであります。

無論、我が家にスモーカーなどというコジャレタものなどありません。しかし所詮、煙でいぶすだけなので、段ボール箱や中華鍋でだって燻製はできるのです。とは言っても、下手に中華鍋を使って鍋を台無しにしては嫁から大目玉を喰らう恐れがあります。あるいは、段ボール箱で作っていて、ボヤ騒ぎを起こさないとも限らない。

あれこれ考えて、バーベキューコンロで作ることにしました。我が家のバーベキューコンロはうまいことに蓋が付いているので、スモークにはもってこいです。と言うか、最初からスモーカー兼用にできているのかも知れません。取り扱い説明書が英語だったので知らなかっただけかも知れない・・・。早速、冬はとんと出番の無かったコンロを引っ張り出し、準備開始。

●落ち葉にモミガラ、コーヒーも試してみよう!

準備をしていて、ピンとひらめいた。そうだ、落ち葉でいぶしたらどうだろう、と。落ち葉を集めて焚火をするととてもいい匂いがした記憶があります。よし!早速公園から落ち葉をかき集めてくる。

さらに落ち葉焚きからの連想で、モミガラもいいんではないかと思い当たる。オラの田舎ではモミガラをいぶして炭化させ、田んぼに撒く風習があり、そのいぶす香りときたら、たまらなく良いのです。東京生まれの嫁もこの香りが大好きと言っていたので、どうやら田舎者だけが好むわけでもないらしい。

さらにさらに、いぶしていい香りと言えばコーヒーもあるではないか。いや待てよ、日本人ならお茶もあるし、笹なんかも良さそうだぞ、とキリが無い。とりあえず今回は、どんぐりと落ち葉、モミガラ、コーヒー、それにりんごの剪定枝+月桂樹を試してみることにしましょう。

まず、ソミュール液なるものを作って素材を漬け込むようです。まぁ、下味を付けるわけですな。水に塩を適当に入れ、ややしょっぱめに調整します。そこへ砂糖少々と白ワインを加え、コショーを強めにふり、庭の月桂樹の葉っぱ数枚を引きちぎって入れてみました。分量は勘で。

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これが特製ソミュール液。底に沈んでいるのがコショー。
このぐらい強めにする方が、酒の肴にするには良いのです。

次に食材を浸け込みます。今回はカワハギとホタテ、牡蠣、タコ、牛タン(味噌漬け)、ゆでたまごにしました。カワハギとホタテ、牡蠣、タコは、一晩浸け込んだ後、3~4時間乾燥させて余分な水分を飛ばしてみました。

写真では分かりにくいですが、ソミュール液に浸けてから、塩を足したり醤油を加えたり、コショウを一振りするなど、素材ごとに微妙に味付けを変えています。同じソミュール液に浸けただけでは味が単調になり飽きてしまう可能性があるからです。

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今回の食材。味が単調にならないよう、
ソミュール液自体の味に変化をつけるのがコツです。

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水分の多い食材は
浸け込んでから数時間乾燥させます。

●いよいよスモーク開始!

いよいよスモーク開始です。まずは、どんぐり薫煙法。どんぐりはコロコロするので、空き缶に入れて炭火の上に置いてみることに。缶の表面の塗装が変な臭いを出しかねないので、まずは缶を焼いてみる。

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近所の山から集めてきたどんぐりで、果たして燻製は出来るのでしょうか!

最近の缶は塗装が良いのか、焼いても変な臭いなど出ないので、早速どんぐりを入れて炭火の上に。ほどなく煙が立ち上り、香ばしい香りが・・・。急いで素材を並べてコンロの蓋をする。炭火から数センチしか離れていないから、熱薫法ということになります。

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炭火の上に空き缶に入れたどんぐりをセットして
薫煙材のセット完了。

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バーベキューの網目が大きいので、
アルミホイルの上に食材を並べました。
それでもムラなく煙がかかりますので、
心配はありません。

物の本には冷えた煙だけをかける冷薫法が上等と書かれていますが、こちとら仙台っ子でぃ!さっといぶしてさっさと食える熱薫法の方が性に合ってます。それに今時分は日が短いので、ウカウカしていると日が暮れてしまいます。

5分ほどいぶすも、煙の出がイマイチ悪い様子。即座に作戦変更で、どんぐりを直接炭火の上にぶちまけてみることに。予想通り、モクモクと煙が立ち上ります。蓋を閉じ、読みかけの文庫本を読み始めます。(無論、ブックオフの100円文庫)

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煙の出が悪いので、
炭火の上に直接どんぐりを置いてみる・・・

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いい感じに煙が噴き出してきました!

当然、どんぐりなどものの数分で炭になるので、煙が出なくなる。素材の色はうっすら黄ばんだ程度で若干心もとないので、落ち葉を加えてさらにいぶすことに。これが意外に大正解!落ち葉もクヌギやコナラが多かったので実にいい匂い。懐かしい落ち葉焚きの香りがあたりに漂います。

再び蓋を閉じ、文庫を読んでいるうち、早くも第一弾が完成。出来上がった素材を取り出し、炭を足し、今度はモミガラ薫煙法に挑戦。

こちらもまずは空き缶に入れて炭火にかけてみる。いい感じで煙が立ち上ったので蓋を閉じて、読書タイム。しかし、シーチキンの空き缶ではものの1分ほどで煙が出なくなることが判明。もう少し大きな空き缶があれば良かったのですが、手元にないので、やっぱり炭火に直接振りかけることに。

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続いてモミガラ薫煙法。これがえもいわれぬ芳しき香りなのであります。

煙が出なくなったら新しいモミガラを加え、満遍なく煙がかかるように素材をひっくり返す。これを数度繰り返すと、ご覧のとおり飴色の燻製が出来上がりました。

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パンパカパーン、今週のハイライト!燻製第一弾の完成です!

続いて、剪定したりんごの枝と月桂樹の枝でいぶしてみる。生の枝なので、燃えることなく程よく煙が湧き上がります。立ち上る煙は月桂樹の香りをまとって、実に甘く香ばしい。これは期待が持てる一品になりそうです。

最後はコーヒー。飲みかけたまま放ったらかしになっていたインスタントコーヒーがあったので、これで燻してみることに。ザラメを入れると甘味がつくというので、アメちゃんを1個加えてみる。これも案外順調に煙を湧き上げます。インスタントなのに、焙煎している喫茶店のようないっちょまえの香りがあたりに漂います。

こうして、ものの2時間ほどで4種の燻製が完成。早速試食に取り掛かります。

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インスタントコーヒーに飴玉を一個加えたスペシャルバージョン。なかなかの香りがあたりに漂います。

●困ったぞ、ビールが止まらない・・・

さてさて、出来上がった燻製を順に試食してみることにします。傍らには良く冷えたビールをスタンバイさせておきます。予想以上の旨さだった場合、舌がとろける前に冷えたビールで洗い流すためです。

まずはどんぐり薫煙法による牡蠣を1つ頬張る。ほぉ・・・、磯の香りの彼方からコショーと月桂樹の香りがドッパーンと押し寄せ、さらにどんぐりと落ち葉の煙から生まれた芳香が軽やかに鼻腔を駆け抜ける。これは旨い!香りの洪水をゆっくり堪能した後、冷えたビールをグビリンチョと流し込み、ブハー!と吼える。

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どうです、この飴色のニクイやつ。見ただけで口の中が唾でいっぱいになって、喋ることもできません。

次にモミガラ薫煙法によるカワハギに取り掛かる。熱薫法なので、しっかりと火が入っていて、箸で触れるとホロホロと身が外れて食べやすい。白身の淡白な魚が、特製ソミュール液によって複雑な味と風味をまとった一品に仕上がっています。どんぐり薫煙法で仕上げたカワハギと食べ比べて見ると・・・おろ?モミガラの方がうまいか?いや、どんぐりはどうだっけ、ビールで舌をリセットしぃしぃ、食べ比べしていたら、ビールが1リットルも胃袋へすっ飛んでいました。いやはや。

こんな調子でホタテ、タコ、牛タン、ゆでたまごを次々にやっつけ、甘露、甘露、とジョッキを傾けていると、冬の陽は早くも西に傾き、急に気温も下がり始めたので撤収することに。

準備に半日(実働30分)、スモークに2時間、試食に2時間のお手軽野遊び術でした。自宅で野遊びする良さは、すぐ帰れること。道具だってテキパキとすぐに片付きます。何より、運転しなくていいのでお酒を飲みながら楽しめます。

結論としては「どんぐりでも落ち葉でも、剪定枝でも燻製はできる!」でした。かかった費用は食材費で1000円程度。皆さんも是非自宅で早ぶー式燻製法を楽しんで見ませんか?

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山に落ちているどんぐりや落ち葉、庭の剪定枝でも充分燻製は楽しめます。
冬は天気の良い仙台の冬の遊びに、燻製を加えてみてはいかが?

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早ぶー(宮城県出身、脳年齢不詳)

◎プロフィール

仙台市内随一のおバカ高校卒業後、上京してコピーライターに。仙台に戻り、広告業界の片隅でくすぶり続けるも、ある日2000万円の懸賞に目がくらみ小説を書き始める。が、鳴かず飛ばずで現在に至る。「器用貧乏とは、器用な人間が貧乏するのではない。貧乏が器用にするのだ」という迷言を吐き、現在一人で文章を書き、写真を撮り、イラストを描いては小器用に生活している。愛読書はブックオフの100円文庫。

名前 コメント 投稿日時
テッテテー どんぐりや木の枝でも燻製ができるなんて、目からウロコの企画ですね。これからもユニークな企画を期待しています。 20100125